イノベーション管理ツール『IdeaScale』の導入ユーザーと様々な業界で活躍するイノベーターの方々との交流会が2024年10月23日に開催しました。
本イベントは、イノベーション管理ツール『IdeaScale』の機能アップデートだけではなく、業界で活躍するイノベーターの方々のエピソードに触れ、新しい発見や知識を得て自分自身をアップデートするためのイベントです。
今回の注目ポイントをご報告いたします。
日本企業の未来を拓くイノベーション管理
イノベーション・マネジメントシステムの実践と効果
– ISO56001の概要とIdeaScaleの適用範囲
2024年9月10日に発表された「ISO56001」とIdeaScaleが、どの領域に適用されるのかを具体的に説明をいたしました。
ISO56001(イノベーション・マネジメントシステム)が重要性を増している
ビジネスや製品のライフサイクルについて、過去では7年〜10年くらいとされていましたが、現在は3年〜5年と言われています。ライフサイクルが短くなった理由は、それだけ急速に価値観やニーズが変化しているからです。
この変化を的確に捉えて、素早く対応するにはイノベーション・マネジメントシステム(IMS)を取り入れることが重要であり、IMSの国際標準規格がISO56001(イノベーション・マネジメントシステム)です。
イノベーション・マネジメントシステム(IMS)によって得られる効果の一例では、現場からの情報を経営・マネジメント層まで届くまでの時間を短縮し、意思決定を迅速に行える仕組みを構築できます。ISO56001(イノベーション・マネジメントシステム)は、ISO9001(品質マネジメント)やISO30401(ナレッジマネジメント)と連携することができ、ビジネス効果を高めることができるようになります。
ISO56001(イノベーション・マネジメントシステム)は、ISO9001(品質マネジメント)、ISO30401(ナレッジマネジメント)と連携することができます。
この組み合わせにより、新しい高品質な価値の創造、既存の高品質な価値の向上、知識・ナレッジを継承し、組織の価値を消失させないことが実現できるようになります。
ISO 56001は、イノベーションマネジメントシステム(Innovation Management System, IMS)に関する国際規格です。2024年9月10日に発表されたこの規格は、企業や組織が効率的にイノベーションを管理し、持続可能な競争優位性を維持するためのフレームワークを提供します。
ISO56001の概要図は左図のとおりです。原則はISO56002と同じものですが、各章において少し変更点がありましたので解説をいたしました。
ISO56001では、左図の相関関係図が追加されました。
この体系図を鑑みるとGlobal Innovation Management Institute(GIMI)の体系図とほぼ同じものになります。
事実、ISO56001(イノベーション・マネジメントシステム)の規格にはGlobal Innovation Management Institute(GIMI)が深く関わっております。
本イベントでは、ISO56002とISO56001では、どの部分がアップデートされたのかをご説明させていただきました。
大事なのはISO認証の取得を目的とするのではなく、国際標準規格(ISO)を参考にすることです。「私たちには私たちのやり方がある」という理論で良いものを取り入れることができない組織では、これからのビジネス環境で継続的な成長をすることが難しくなります。予測困難なビジネス変化に素早く対応するための仕組みを構築するためのガイドラインこそがISO56001(イノベーション・マネジメントシステム)です。
最後にISO56001(イノベーション・マネジメントシステム)に対するIdeaScale(アイデアスケール)の適用範囲を解説しました。◯の部分は完全に適用できる部分です。△の部分はISO56001の要求事項としてITツールでは実現できない人的な要求事項があるため△となります。
ITツールへの要求事項に限定すれば、◯となることをご理解ください。
生成AIとロボットによる「物流業界の未来」
日本の物流を革新的な技術と発想でスマートに変えるGROUND株式会社
GROUND株式会社 社長兼CEO 宮田啓友氏より、「物流業界の未来」についてご講演いただきました。
物流業界はオートメーション化され、システマチックな世界をイメージしておりましたが、その歴史は製造業などに比べると浅く、60年前は肉体労働という遅れた世界だったそうです。それが指数関数的に飛躍的に発展され、今に至っているそうです。
物流業界にはこの50年で4つの変化があり、概要は下記となっているそうです。
- Warehouse1.0:自動倉庫で効率化
- Warehouse2.0:バーコード化とソフトウェアの導入
- Warehouse3.0:ロボットの導入
- Warehouse4.0:Aiの導入
GROUND社では、「テクノロジーで物流の仕組みを変える」という言葉は、テクノロジーを取り入れながらイノベーションを実行されていると感じました。
宮田CEOは、構想しているものを実現することは非常に難しく、体力のいることですが、
- あきらめないこと
- 成功確率を上げること
2つ重要なことがあるとご紹介いただきました。まさにイノベーションそのものと感じました。
ISO42001(AIマネジメントシステム)について
ISO42001はAIマネジメントシステムとして発行されたマネジメント規格のことを言います。
近年、AIの進化は社会に非常に大きなインパクトを与えています。
2018年から日本の労働生産性は下がっておりますが、これを支援する一つにAIの利用が考えられています。
今後、導入されていく企業や業界は増加傾向にあると思います、ただし、利用には注意が必要で、与えるデータに公平性がないと、結果は中立でないといったことがあります。AIポリシーを作成し、HPで公開していくことが求められていくことになると感じます。
ISO42001の導入はこのような課題を支援する1つの手段と感じます。
謝辞
ISO56001(イノベーション・マネジメントシステム)を知るとIdeaScaleの良さやイノベーションの取り組みが、どうしてこうなっているのかを知ることができます。イノベーションを促し、成功率を高めるための仕組みがIdeaScaleには備わっています。
毎回、業界で活躍するイノベーターの方々にご講演いただいております。IDEASCALEジャパンでは、今後もユーザー会を通してイノベーションを推進できるきっかけの場を提供していきます。